つい最近までaikoという歌手についてよく知らなかった。
テレビでたまに見かけるaikoはいつもぴょんぴょん跳ねて元気に歌っていたので
なんとなく、関西弁の元気な完全な陽キャタイプの女だと思っていた。
しかし、aikoの楽曲をよくよく聞いてみると
aikoはいつまでも恋する乙女で、繊細で深い愛を持つ女だった。
ぼくは心を掴まれてしまった。
「心に乙女」に見る愛の重さ
aikoの4枚目のアルバム「秋 そばにいるよ」に「心に乙女」という曲がある。
宇宙の隅に生きるあたしの大きな愛は
今日まで最大限に注がれて
それは消える事なく あたしの大きな愛が
あなたを締め付けてゆく
もっともっと注いで
「愛があなたを締め付けてゆく」この一節にaikoの愛の重さが現れている。
ぼくは愛とは「愛を注ぐ」「深い愛」と表現することから流動的で深度のある水や空気のようなものであると思っていた。
しかし、aikoの愛はあなたを締め付けてしまう。
aikoの愛は質量のある実体をもっているのだ。
まさにダークマター(質量は持つが、光学的に直接観測できない)である。
しかもそのダークマターは宇宙を引き合いに出すほど大きく、
今日まで最大限まで注がれているにも関わらず
aikoはさらに「もっともっと注いで」くる。
こんなもん、完全にメンヘラとしか思えない。
こんなaikoの愛をニコニコ平気な顔をして受け止められる男なんているのだろうか。
宇宙より広く深い懐のある男でないとaikoのダークマターは受け止められないだろう。
しかし、aikoはさらに重い愛を突き付けてくる。
あなたに逢えます様に
今夜もお願いする
「今日も愛してくれる?」
aikoは自分のダークマター投げつけたうえでお願いするのだ。
今夜「も」逢えます様に と。
今日「も」愛して と。
おそらく昨日も明日もaikoは愛を要求している。
aikoは自分のダークマターを毎日毎日注いで、その上で要求する。
「今日も愛して」と。
これほどの愛のプレッシャーは感じたことがない。
aikoは互いに互いを愛で締め付けてずっとずっと一緒にいたいと甘えてくる。
しかしaikoは心に乙女を持っているため、しかたない。
心に乙女をもったaikoの愛はこれほどまでに重いのだ。
aikoの楽曲をよくよく聞くと
こういった重い愛の曲や片思いの曲、辛い失恋の曲が多いことに気付いた。
aikoは恋愛体質のメンヘラだったのだ。
関西弁の元気な陽キャ女というよりも
年中しくしく泣いている繊細なメンヘラ女というイメージになってしまった。
かわいい。
aikoすき。

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