発達障害(ADHD、ASD、SLD)について
ぼくは数年前から自分は発達障害ではないかと思っていて
今年になってやっと精神科に相談して正式にADHDと診断を受けました。
世間ではあまり発達障害(ADHD、ASD、LD)について正確な認識がされていないなあと感じているので
それぞれの障害の特徴と対策とかわかる範囲でまとめてみようと思います
目次
3種の発達障害
ADHD:注意欠如・多動性障害
多動的、衝動的、不注意。
●常に動き回ったり思考がせわしない。
●思い立ったことをすぐにやりたくなる。
●忘れ物やミスが多い。
●部屋が片づけられない。
ASD:自閉スペクトラム症 / アスペルガー症候群
コミュニケーションや対人関係、想像力のかたより。パターン化した興味や活動など。
●空気を読むことが苦手、言葉の比喩や裏の意味がわからない。
●人との距離感が独特で、一方的だったり、拒絶的だったりする。
●好きなテーマを語りだすと止まらない、人の話を聞くのが苦手。
●過去のことはよく覚えているが、未来を想像し予定を立てるのが苦手。
●時に過去の嫌な出来事がフラッシュバックして情緒不安定になる。
●視覚、聴覚などの感覚が過敏。
●同時に複数のことを処理することが苦手。
●他者視点に立って考えることが苦手。
自閉症のみの人、アスペルガーのみの人、複合型の人といるようです。
SLD:限局性学習障害
知的な遅れや視覚や聴覚などに問題はないが、「読む」「書く」「聞く」「話す」「計算・推論」などの学習分野において著しい困難を有する。「読字障害(ディスレクシア)」や、「書字表出障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカリキュリア)」などが代表的。
この3つの発達障害を誤解を恐れずにそれぞれ端的に表すと
ADHD:抜けている、アホ
ASD:空気が読めない、気難しい
SLD:勉強が苦手、バカ
こんな感じかなーと思います。
ぼくはアホです。
発達「障害」と障害と表記されているので誤解を招きがちだと思うんですが
脳機能に明確な障害があるわけではなく、正確には「認知のズレ」があるイメージを持っています。
※認知のズレが起こる原因が脳のシナプスにあるため障害と表記される。
物事を捉えるときにいわゆる普通の人の認知と発達障害者の認知の間にはズレが生じていてるように考えています。
なので、障害なので治らないと悲観せずにズレを認識してズレを直す努力をすると
生活への支障、ストレスはかなり軽減されると感じています。
発達障害の治療について
・「認知のズレ」を修正する
発達障害の治療についてですが、前述したとおりまずは「認知のズレ」を直す訓練が第一かなと思います。
イメージとしてはうつ病や人格障害に用いられる認知行動療法に近く
自分の思考特性や長所や短所をしっかりと認識したうえで、そこから健常者との「認知のズレ」を見出し、ズレの修正を行っていく。これが治療というか第一にやるべき対処なのかなと考えています。
もちろん、逆に健常者からの歩み寄りがあれば、より効果的ですが
不特定多数の健常者に歩み寄ってもらうのは現実的に難しいので、これは本人の努力が必要です。
・薬物療法
最近ASDにも認可薬ができました。
・ADHD治療薬
ADHDではストラテラ、コンサータ、インチュニブがあります。
ストラテラ:長期服用による注意欠陥症状緩和剤
コンサータ:短期服用による集中力向上剤(覚せい剤に近いイメージ)
インチュニブ:子供用の注意欠陥緩和剤
それぞれの薬でノルアドレナリン、ドーパミンを増やす作用があります。
この脳内物質が増えることで記憶力、集中力の改善につながります。
・ASD治療薬
平成29年に適用が認可されたばかりであまり一般的にはなっていないですが、
ASDによる感覚過敏、記憶のフラッシュバック、こだわりの強さにたいしての対処療法薬があります。
感覚過敏:リスパダール
フラッシュバック、情緒不安:エビリファイ
この3つの薬はもともとうつ病に適用されていたお薬ですが、ASDにも適用されました。
ADHD治療薬とは少し違っていてこちらはドーパミンの量を調整する機能がある薬で感情の高ぶりや感覚過敏を抑える効果があります。
また、SSRIは本来抗うつ剤です、脳内セロトニンを増やし、憂鬱な気分を緩和し心に余裕を持たせ、こだわりを緩和します。
ただし、これらの薬は最近認可されたばかりなので「ASDに治療薬はない」という認識のままの医師も多いようです。
その場合は医者にASDについて相談するのではなく、困っている症状(感情を抑えられないなど)を伝えることで
これらの薬を処方してもらうことが出来ると思います。
ASDについては下記のサイトがよくまとめられていました。
ASD(自閉症・アスペルガー)の薬物治療の紹介。薬名と効果と体験談 | 大人の発達障害だったぼくへ
・SLD治療薬
SLDについては現在治療薬はないため、こちらも困っている症状を伝えることで
症状を改善できるかもしれません。
・サプリメント治療
サプリメントについては以前下記の記事で3種類紹介しました。
大塚製薬 ネイチャーメイド スーパーフィッシュオイル(EPA/DHA) 90粒 [機能性表示食品
・チロシン
国産原料 国内生産 L-チロシン (90粒 1ヶ月分) 1粒あたりチロシン201.40mg配合
精神科、心療内科の敷居が高い問題について
日本ではなかなか精神面の障害、病気についてオープンな環境になく
精神科というと行きづらいイメージがおおいとおもいますが、
やはり、専門家、専門薬があると人生が楽になります。
最近の精神科は歯科レベルに綺麗で明るい院が多いのでちょっと頑張って行ってみてほしいです。
精神科についての過去記事はこちら
発達障害との付き合い方
発達障害は障害というよりも「認知のズレ」であるとは言いましたが、
先天性のもので治療しても緩和はするものの完治はしません。
一生の付き合いになってしまいます。
正直ぼくはこの事実が未だに憂鬱でたまに辛くなってしまいます。
毎月病院に通い、薬を貰うこれが一生続くのかと暗い気持ちになってしまいます。
・金銭的負担
金銭的負担も大きな壁となります。
ストラテラの例でいえば、1日1錠210円します。
1か月で6000円、ほかの薬と合わせると1万近くになります。1年で12万円。
これはかなりの負担かと思います。
※2018年12月にストラテラのジェネリックが発売されました。
しかし、これに関しては1年以上の通院で「自立支援医療」が受けられるので
1割負担まで下がるので1年で4万程度になります。
さらに「障害者手帳」を取得すれば、所得税、住民税が各25万円程度減税されるので
マックスで減税を受けることが出来れば50万円程度節税となります。
携帯各社も障害者割引を行っているので携帯料金も半額程度になるため積極的に利用しようと思っています。
ぼく自身障害者として生まれ、生きづらさを持ち続けて頑張っているのだから
少しくらいお金の面で得してもいいんじゃないかなーと思い切って取得を目指しています。
※取得自体は簡単。担当医に「申請書を書いてください」でいいです。
あとは市役所でマイナンバーカードと申請書を提出するだけ。
・精神病の併発
注意欠陥や集中力のなさによって仕事でミスをしたり、人を傷つけてしまったり
後悔や自責の念に捕らわれてうつ病も併発しました。
これにつては過去記事でうつ病や適応障害について書いているので参考になれば
・職業選択
仕事についてはそれぞれの症状に向き不向きがあり、例えば
ADHDは興味のあることへの過集中の特性を生かして研究者が向いていたり
ASDはルールやマニュアルのしっかりしている企業や設計者が向いていたりします。
この辺についても検索すると沢山情報が出てきます。
良く調べて自分にあった職業が見つかればと思います。
ぼくは現在研究者として働いていて、以前のルールやマニュアルを重んじる設計者の仕事よりも向いているなあと感じています。
・人間関係について
人付き合いについては、訓練が必要なのかなと思っています。
やはり「認知のズレ」がやっかいで本人の努力なしではなかなか改善の難しい部分であると考えています。
ぼく自身、子供のころは人付き合いが苦手で距離の取り方、スムーズな会話などが
非常に下手でした、その結果ぼくには子供のころの友達がほとんどいません。
これもぼくが生きづらいと思っていた原因のひとつで発達障害を疑ったきっかけでもあります。
ぼくはこの点に関してはかなり訓練をしてきました。
というか、以前の記事にも書いていますが、マッチングアプリなどで数百人の方と会ってお話をして、改善に改善を重ねてやっと何とか健常者に近いところまできたかなと思っています。
最後に
発達障害を克服することは非常に難しく、大変なことだと実感していて
これからの人生が憂鬱に思うことも多々あります。
でも、こうした記事を書くことで同じような悩みを持つ方の役に立てれば、頑張って生きた甲斐もあるかなと思っています。
このブログを見ている人にも同じような悩みを持っているかたがいれば気軽に相談してほしいです。
ぼくも相談してみたいことがたくさんあります。
相互コミュニティを築いて助け合っていければいいなあと思っています。