ふとした瞬間に思考が暗転し、ゲリラ豪雨に襲われる。
ゲリラ豪雨に襲われた思考は瞬時にブラックアウトする。
アイデンティティを忘却した僕は自殺願望、希死念慮にさいなまれる。
ドライヤーで髪を乾かしているとき
歯磨きをしているとき
電車で吊革につかまっているとき
ルーティンに近く思考する以外に何も出来ない行動をしているときにそれは訪れる。
思考がブラックアウトし、アイデンティティの忘却が起きる。
自分が何者なのか分からなくなる。
自分の名前と自分の姿が一致しなくなり、
その瞬間にそこにいる何者かがぼくについて思考をしている。
そしてぼくは生きているのか死んでいるのかが分からなくなる。
精神が死んだような状態なのかもしれない と考える
ならば、肉体もあとを追うべきではないのか と
精神世界においての死と現実世界での死が乖離した瞬間とてつもない不安に襲われる。
不安は現実世界での死を誘う。
しにたい
そう思う。
ぼくのアイデンティティは根っこを持たずに不安定な状態のまま漂っている。
芯にあるのではなく、周りにふんわりとアイデンティティがまとまりついている。
まとわりついているアイデンティティは強い風が吹くと飛ばされ消え去る。
その瞬間に精神が死ぬ。
霧散したそれはすぐ戻ってくることもあれば、数日戻ってこないこともある。
精神のなくなったぼくはぼくについて考え始めるが、いつも結論は同じで
その結論によって苦しみ、悲しみ、辛くなる。
なぜなのか
なぜこういう思考に陥るのか
なぜ死にたくなるのか
なぜ生きているのか
なぜここにいるのか
なぜぼくなのか
なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜと問い続けるが答えはわからない。
つらいことは何もなくて楽しいことばかりの毎日の中で
苦しんで、悲しんで、つらくなる。
意味がわからない。
わからないことだらけの中ぼくは死にたくなるのだ。
わかる?