クズは起きれない
子供のころから朝は苦手だ
低血圧でも貧血でもないが、どうしても朝起きれない。
夜9時に寝ようがそれは変わらず、朝という存在が苦手なのかもしれない。
なぜ朝が苦手なのだろうか、朝は生きとし生けるものすべてにやってくる。
死にたがりのぼくにとって朝は昨日も失敗したという死ねなかった自分にとっての失敗の象徴なのかもしれない。
今日の朝も全く起きれなかった。
朝起きれないといっても普段は、なんだかんだ遅刻はしないギリギリの時間にはなんとか起きて家を出ている。
今日はだめだった。全く動けなかった。
重力で押さえつけられているような感覚と脳が溶けてしまって思考が停止している状態が2時間ほどつづき、ついに無断欠勤となってしまった。
しかたなくベッドで項垂れていたが、そのまま寝れるわけでもなく
夢とも現実ともつかない世界をさまよっていた。
出社時間を1時間ほど過ぎたころに先輩に午前半休の連絡をしたが、それはなぜか中国語で返答されたし仰向けで寝ていると急にベッドががたがた揺れだして
ぼくは壁に打ち付けられた。
2回ほど部屋に人が訪れ、2人とも冷蔵庫を漁って部屋を出て行った。
2人目の来訪者はドアの隙間からぼくを覗いておりとても怖かった記憶が残っている。
水墨画の中にぼくが現れ、乾く前の水墨画のぼくに向かって水が掛けられた
当然ぼくはぐにゃぐにゃになり溶けていく。
気付いたら4時間経っていた。
午後から出社予定だったので、ぼくは急いで身支度をした。
午前半休の連絡をした先輩からは本当に中国語で返答が来ていたのでぼくは「謝謝」と返事をして会社へ向かった。